グランドピアノでなくても弾けることは弾けますが、作曲家が考えた通りに弾こうと思うと、やはりグランドピアノでなければできない表現があります。グランドピアノの特長には、
- ピアニシモからフォルティシモまで、豊かに響く
- 音がなめらかでよく伸びる
- 音程感がいい(和音ひとつ弾いても一つーつの音がにごらずに聞こえる)
- 音に微妙な表情がつけられる
- 音にむらがなく、バランスがいい
- トリルなど、こまかな連打が思うままにできる
のようなことがあり、これらの特長がとけあって“いい音”ができるのです。例えば、ドビュッシーの「映像」やシューマンの「蝶々」にはソステヌートペダルの指示がしてある部分があります。またラヴェルの「夜のガスパール」では左手に32分音符で同じ音の連打が出てきますが、微妙な強弱をつけながらすばやく連打で弾くにはアップライトピアノでは限界があります。この他に「乙女の祈り」や「エリーゼのために」などのフォルティシモやピアニシモ、ブルグミュラーの練習曲やモーツァルトの「トルコ行進曲つきソナタ」に出てくる軽快な音なども、アップライトピアノよりグランドピアノで弾いたほうが、よりいきいきとした表情をつけることができます。 |