S・E・Pマンスリーvolume033
サイレントアンサンブルピアノで新しいレッスンを目指す先生方へ
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私のSEP活用レッスン vol.033 2006年2月号
「XP特注」は“ピアノを超えたピアノ”です
川嶋恵理子先生(大阪市都島区)
 
 ヤマハのホームページや楽器店で〈サイレントアンサンブルピアノ・プロフェッショナルモデルXP特注〉(以下「XP特注」と略記)が発売されたと知り、「いやはや凄いものが出たものだ。でも、私には高嶺の花だなあ」と嘆息したのは一昨年のことでした。ところが昨年の秋になり、グランドピアノフェアで実物を見たり、「映像同期」の実演を体験。さらに娘が習っている先生がSEPを活用して楽しく効果的なレッスンをしてくださるのを見学するうち、俄然「XP特注」を身近に感じ出したのです。そこで、グランドピアノがちょうど買い替え時期にさしかかっていたところでもあり、思いきって「XP特注」の購入を決意。我が家に念願の「XP特注」付きのC3Lがやってきたのは、クリスマスも過ぎた昨年末のことでした。
 
購入前から実行していた「SEP活用レッスン」
 
 それまでの私のレッスン室の楽器・機器は、グランドピアノG2とDUP、それに電子ピアノのP60と「伴奏くん」というラインナップ。SEPを持っていなかったため、ミュージックデータを少しでも良い音で再生したいと、「伴奏くん」をピアノのそばにセットした大きなスピーカーにつないでいました。いわば「自家製サイレントアンサンブルピアノ」というわけです。ですから考えてみると、私は「XP特注」を購入する以前から、ミュージックデータを活用した「SEP活用レッスン」を、自分なりに工夫して実行していたといえそうです。
 導入してまだ1カ月少々という、駆け出しユーザーではありますが、そんなわけで、現在「XP特注」で行っている「ミュージックデータ活用レッスン」は、これまで「伴奏くん」でやっていたレッスンの、ほぼ延長線上にあります。例えば導入期の小さな子供であれば、ミュージックデータを再生して一緒に歌ったり、手拍子でリズム打ちをしたり…。でも、こうしたミュージックデータによる「SEP活用レッスン」は、今さら私が述べるまでもなく、皆さんの方がよくご存じのことでしょう。
「XP特注」購入以前には「伴奏くん」が活躍していました現在の我がレッスン室の主役「XP特注」
 
映像活用で効果的な脱力指導が実現
 
 「XP特注」でなければできない、新しいレッスン法にもチャレンジしています。
 その一つが、「XP特注」ならではの「映像同期」機能を活かした初心者へのレッスン。私の教室に来ている生徒の中には、「ピアノに触れるのは初めて」という20代の女性もいます。「ピアノを弾きたい!」という気持ちは人一倍とはいえ、まだまだ脱力どころか、肩に力が入ってガチガチというのが実情。そこで、ピアノを弾く前に、ミュージックデータによる自動演奏に合わせ、手を叩いたり膝を叩いたりする「脱力体操」や、お手玉を使って手首を柔らかにする準備運動をしてもらいます。それからいよいよピアノに向かうのですが、「手首に力が入っていますよ」と注意しても、どこをどう直せばいいのか、言葉だけではなかなか分かってもらえません。そこで、横に置いたビデオカメラをONにして、目の前のモニター画面に写る映像で自分の姿勢や動作を確認してもらいながら、「ほら、手首をここまで持ち上げて、こういう角度で…」と、手を取ってアドバイス。言葉に映像が加わることで、ピアノを弾くための大切な基礎となる脱力の、効果的な指導が可能になりました。
 
弾けるようになったら「録画」しようね!
 
 譜読みの段階に入ってからも、いきなりピアノを弾かせるのでなく、まずミュージックデータの自動演奏による模範奏に合わせ、階名唱や歌詞唱をさせています。生徒が楽譜と首っ引きになってしまうと、譜読みだけで精一杯になり、手の形や音のことが頭から抜け落ちてしまうからです。そうして楽譜がほぼ頭に入ったら、今度はミュージックデータの伴奏に合わせて、片手ずつの練習に進みます。テンポ調節で最初はゆっくり。それからだんだん本来の速度に上げていきます。両手が共に弾けるようになったら、今度はいよいよ両手奏。また、緩やかな速度から次第にテンポアップしていきます。
 そしてレッスンが進み、大体弾けるようになったら、「次のレッスンでは〈録画〉しようね」と言って、楽譜に「Rec.」と書いてあげます。そうすると、生徒たちの目の色が変わります。皆、録画してもらうのが大好きで、それを楽しみに、一生懸命練習してきてくれます。反面、緊張のあまり、録画本番では実力を出し切れず、再生のときには冷や汗!という子も少なくありません。でも、私が「また今度〈録画〉するから、頑張ろうね」と声をかけると、次回のレッスン日を目指してまた懸命に努力してくれます。こんなふうに、生徒たちにとても前向きな目標感を与えてくれる「XP特注」。ミュージックデータの伴奏で弾いたときには、伴奏の音に紛れて聴き逃してしまいがちな、指が転んだところなども、鍵盤の動きと映像で自分の演奏をしっかり確認できるので、とても効果的です。
「XP特注」の自動演奏に合わせ、歌いながらメロディラインを楽譜に書き取ります「XP特注」から流れる伴奏に合わせ、最初はゆっくりしたテンポで練習
 
高精度再生でプロのペダルテクニックに感嘆
 
 まだレッスンに活用し始めて1カ月足らずなので、これから取り組みたい課題もいっぱいあります。
 例えば、自宅にSEPはなくても、「伴奏くん」を持っている子は多いので、生徒各自の演奏をFDに録音して自宅に持ち帰らせ、家庭で聴いてもらいたいというのも、その一つ。
 また、作曲を勉強中の私の中学1年になる娘は、課題として作ったアンサンブルの作品を、「XP特注」の音色機能を使って、ヴァイオリン、チェロ、フルート等各パートの音色で演奏し、作品のイメージの確認に活用しています。弦楽三重奏の作品等を実際に生で誰かに演奏してもらうのは大変なことなので、とても重宝しています。また、「XP特注」ならではの高精度再生性能も有効に活用しています。例えばピアニストの演奏したソフトを再生し、「プロのペダルテクニック」を我がものに…。こんなふうに無限の可能性を秘め、もはや「ピアノを超えたピアノ」といえるプロモデル「XP特注」! これからもレッスンの中でますます活用していきたいと願っています。
「XP特注」を活用すればアンサンブル練習も自由自在。その成果を発表会のステージで披露
 

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